かべの むこう

かべの むこう
のぞいた さきは
にしか ひがしか



前日の晩、ビールで再会を祝した御一行。
次の日は朝からベルリンの街を観光です。

今回は特に、ベルリン各所に残っている壁、ベルリンの壁を集中して回りました。


Berlin 壁建設写真今や米ソ冷戦は完全に過去のことになり、もちろん東西に分断されていたドイツも統一されて久しいわけですが、私の生まれた頃はまだ、それは立派な壁として、ベルリンの街を分断する役割を担っていました。
昔、子供ながらに「なんで同じドイツ人同士なのに、壁なんか作っちゃったんだろう」と疑問に思っていましたが、そりゃ、てっぽう持った怖い兵隊さんに後ろから脅されたら、作るしかないですね…

壁を見下ろす展望台の、その壁面に掲げられたら写真を見上げながら、ちょっとだけ昔の疑問を思い出しました。


Berlin 分離帯その展望台に登ると、保存された壁の様子がよくわかります。

写真の手前側が西ドイツ、奥側が東ドイツで、手前側には高さ2メートルの壁。
そこから奥に向かって、幅50メートルの緩衝地帯。亡命防止のために、ここは走りにくい砂地になっていて、左奥に見えるこじんまりした監視塔で常に見張られています。
そしてそのさらに奥には、もう一枚の壁。

たった数十年前まで、こういう構造の2枚の壁と緩衝地帯が西ベルリンをぐるっと囲んでいて、東ドイツの住民が東→西ベルリン経由で西側世界に亡命するのを防いでいました。


Berlin 壁とマンションそんなイデオロギーの意地の張り合いも、遙か昔の物語。

今は緑の芝生に覆われた緩衝地帯に立って西ベルリンの方向を見ると、2メートルのちっぽけな、落書きだらけのベルリンの壁の向こうには、近代的なデザインのマンション。
冷戦終結後に流れた月日の長さを感じさせます。


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