美味しい葡萄を食べながら、夏の思い出を綴っていくことにしましょう。
前回スホクラントという場所を紹介しました。スホクラントは、むかし島だったところが干拓によって島ではなくなり、今では周りがすべて牧草地になっている、そんな場所でした。
干拓は、湾を堤防で締め切って堤防の中の水を抜いていき、水位を下げることで陸地を作り出していきます。
さて、前回スホクラントを紹介した時に見た地図を見てみましょう。
地図の中央にエイセル湖(Ijsselmeer)という大きな湖があります。その北側、エイセル湖と北海との境目に、東西に走るA7と表示された道があるのがわかるでしょうか。
これが、もともと北海と繋がっていたエイセル湾を締め切って干拓するために作られた、全長32キロの締め切り大堤防(Afsluitdijk)です。
1932年に完成してから約70年間、干拓のために使われてきました。
湾ごとまるっと湖にしてしまう、その発想がすごいですね。
昔、ゆうきまさみの「機動警察パトレイバー」というマンガに、バビロンプロジェクトという東京湾を締め切って干拓する話が出てきましたが、同じことを実際に、しかも80年以上前にやってしまったオランダ人はすごいです。
そして、干拓計画を2000年に破棄してしまうところが、またすごいです。
この堤防の上は高速道路になっていて、実際に走ることができます。
この写真では、左側がエイセル湖、右側が北海です。
東京湾アクアラインも海の上のまっすぐな道ですが、こちらもまた、まっすぐな道が続いています。
当然カーナビで見ると、青い背景に線が一本引かれた、とてもシンプルな模様になります。
全長32キロの直線道路、走ってみると、とても気持ちが良いですよ。