刻のはじまり

まもなく
午後 0時 0分を
お知らせ します



昔々のつい最近まで、人類は太陽の運行を基準に時間を決めていました。
ごくごく簡単に言うと、日時計を使って時間を決めていました。

大航海時代の頃から、大海原を安全に航海するために、正確な時間と天体観測がとても重要になりました。
そこで、各国が標準時というものを定めるようになります。
イギリスでは、グリニッジ天文台の子午線を太陽がまたいだ瞬間を正午(午後0時)として、時間を決めていました。

これが、グリニッジ標準時(Greenwich Mean Time / GMT)です。

長らく世界標準時としても使われていて、日本標準時(Japan Standard Time / JST)との時差は+9時間です。
古い日本の時計には「GMT+9」と表示されていることがあります。

本当は、地球の自転や公転の影響を考慮して一定の基準時間を作り出すために、天文学者が長年にわたっていろいろやっているんですが、ここではバッサリ省略。詳しく知りたい方はWikipediaの太陽時を見てね。日本語ではグリニッジ標準時と言われることが多いですが、正確にはグリニッジ平均時、この平均の意味もわかります。


子午線そんなわけで、赤い線で示されている経度0度の線を太陽がまたいだら、イギリスでは午後0時です。


子午線と太陽の観測天文台の建物の中、経度0度の線上に、太陽を観測するための望遠鏡が置いてあります。

大航海時代には、ここで観測した太陽の運行を元に、時間を決めていたんですね。

そして近代1967年からは、ここで観測した時間の代わりに、セシウム原子時計が世界時間の基準として使われるようになりました。

これはセシウム原子の励起が云々以下略・・・。
これに伴って名前も協定世界時(Coordinated Universal Time / UTC)に変わっています。

1967年頃作られた時計を見ると、日本標準時としてGMT+9とUTC+9が併記されているものがあると思います。
最近の時計は、UTC+9で統一されているかな。

ただ、これで天体観測から計算される時間が必要なくなったわけではなく、今でもしっかり観測が行われていて、日常生活に使われています。

「うるう秒」ってありますよね。たま〜に1秒足す、あれ。あれは、セシウム原子時計と天体観測による時間の誤差を修正して、お昼がきちんと午後0時なるように調整しているんですね。

いろいろな場所を訪れながら、こうして科学を辿っていく旅は、とても楽しいです。


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